ラインテンショナーIK500を自作する

まえがき

今回は皆さん憧れのスタジオオーシャンマークIK500を自作してやりましたという記事です。

そもそもなかなか市場に出回らない上に末端価格で5万近くするので、あればいいんだけどなかなか手が出ないIK500。中古品ですらなかなか売っていないし、価格も中古品とは思えないくらいの値段です。なのでなんとかして自作してみます。

目標としてはヒラマサに使えるように5kgくらいまでテンションを安全にかけられるように頑張ってみます。では解説へGO。

追記:最終版のIK500を作りました。パーツも少なく性能も良くなってます。下の埋め込みからどうぞ。

用意するもの

使う材料はこちら
複雑なので部位ごとにそのまま箇条書きします。単位は全てミリメートルね。

名前だけ見てもわからないと思うので作業工程の写真見つつお願いします。

テンションセクション

・滑車φ100 M10 ※ベアリング推奨
・角座金 M10以上
・丸座金 外径φ40 M10 厚2〜4mm 3枚
・M10ワッシャー 1枚
・厚手フェルト 100×100
・穴付き平アングル ※座金をカバーできる幅で滑車の半径より長いもの
・tesaテープ
・M10ボルト 130mm, 100mm 各1本
・ナット付角座M10
・M10 ナット 1個
・タップビス
・M10貫通ハンドルナット
・1mm厚ゴムロール 50x500


■プチ解説

滑車側面とドラグ座金の間にベアリング内輪がせり出していて邪魔だったので、今回はアジャスターとして角座金を挟みます。

ぶっちゃけこの自作は部品の選定が全てです。その辺の部品選びの解説は下の埋め込みでしているので、自作考えている人は参考にどうぞ。

ガイドセクション

・滑車小 φ30程度 ※ベアリング推奨 2個
・M8ボルト 2本
・M8オニメナット 2個
・M8スペーサー 適量
・M8ワッシャー 適量
・タップビス 適量

台座

・厚めのL字アングル 4本
・2x4材 250mm程度
・タップビス 適量

必要工具

台座に正確に垂直に穴を開ける工具は必須。
そのほかレンチ、ドライバー、ハサミ、両面テープなど基本的工具を適宜。

作業工程

では作業パートへ。ぶっちゃけパーツが揃えばあとは組み上げるだけです。

テンションセクション

まずは次の5つの下準備

【角座金とゴムワッシャー作成】
座金と同じ形にゴムロールを切り出してゴムワッシャーをつくる。角座金用は2枚、丸座金用は1枚。

丸座金用ゴムワッシャーは後で使うのでとっておき、角座金用ゴムワッシャーは両面テープで角座金の両面に貼り付けておく。


【フェルトワッシャー作成】
丸座金の大きさに合わせてフェルトをカットしてフェルトワッシャーを2枚作る。

打ち抜きポンチあると便利


【ライン接点の作成】
滑車の溝をtesaテープで7割ほど埋め、その上から滑車の幅と外周に合わせて切り出したゴムロールを両面テープで溝に貼りつける。


【台座の穴あけ】
台座に対して正確に垂直にφ10の穴を2つあける。

二つの穴の間隔は平アングルの両側の穴と一致するように。

穴にアングルを当てがったところ

また下側の穴は滑車取り付け用の穴なので、滑車を取り付けた時に滑車の下端と地面の間が2〜3cm空くくらいの位置に下側の穴を開ける。

ラインをセットするときの作業スペースになります


【テンションセクション組み上げ】
台座に開けた下側の穴にボルトを通しナット付き角座で締め上げてタップビスで固定。

取り付けたボルトへ、M10ワッシャー1枚、滑車、ゴム付き角座金、丸座金、フェルトワッシャー、丸座金、フェルトワッシャー、丸座金、丸座金用ゴムワッシャー、穴付き平アングル、丸座金、貫通ハンドルナットの順に取り付ける。

もう片方の台座の穴にボルトを差してナットを通し、そのまま平アングルの穴へボルトをとおしてナットを締めて固定したらテンションセクションは完了。

動作チェックとしては、滑車を手で回した時に平アングルは回転せずにフェルトと座金の層で滑って滑車が回っていることと、ハンドルの締め込み具合で滑車の回転抵抗が調節でることが確認できればOK。

【ガイドセクション】

滑車大をつけた状態でラインガイドを取り付ける穴を開ける位置を決めφ8の穴を開けます。

位置決めはフリーハンドでOKですが垂直は正確に取れるように。

僕は垂直取りに失敗した上にやり直すのがめんどくさかったのでオニメナットで強引に垂直を取りました←

滑車を取り付けたM8ボルトを立てる。

滑車大の溝の中心に滑車小の溝がくるようにワッシャーやスペーサーで適宜調整すれば完成。

溝の中心が合うように適宜ワッシャーとスペーサーを入れる

滑車の溝の中心がお互いに通っていることと、滑車がベアリングでスムーズに回っていればOK。

台座

L字アングルをタップビスで止め作業したいところに固定すれば完成。特筆すべき点なし。

完成!!

はい完成。

たまたま台座が無駄にいい色の端材だったのと、シルバー、黒、マホガニーで統一されてて意図せずめっちゃかっこよく仕上がってしまった笑

性能・使い方

使い方は糸巻き器とリールの間にテンショナーを置きラインをセットしてリールを巻く。

糸巻き器のテンションは0.8kg前後に設定。
この状態でテンショナーを絞れば6kg手前までラインが滑車上で滑らずにテンションがかかる。

糸巻き器のテンションを上げればもっと強いテンションがかかったけど、ボビンにラインが食い込んでしまうので糸巻き器のテンションは0.8kgで固定して運用するのがいいと思う。

テンショナーへのラインのセット方法は諸説あるけど、僕は滑車へひと巻き分巻き付ける方法はライン同士が重なる部分ができて擦れる気がして精神衛生上よくないので、滑車には巻き付けずに引っ掛けるだけで運用してる。(下の写真の青い方)

あとがき

といわけでスタジオオーシャンマークIK500を自作しましたという記事でした。
中古品のIK500の価格が下がるのを待っている方は自作がてっとり早くていいと思います。
自分で言うのもなんですが性能見た目どっちをとっても素晴らしい完成度でつくれたし、大したもの使ってないから当然なんだけどいやー安かったねびっくりするくらい。

5キロかけられるのでヒラマサまでの糸巻きは全然これでいいって感じです。
無駄に高級感がある端材を台座にしたこともあってか見た目もかっこいい。笑

ただ正直、この装置で本当にラインにダメージが入っていないのかは実際に使用してみないとわからないので、使用経験が少ない今の段階では若干の不安がどうしても残ります。

とりあえず手頃なジギングで使い込んで確かめてきますね。

PS. 実釣をこなして、自作したIK500で巻いたラインを評価しました。
PS. 改善点を克服した完全版を作りました。
それぞれの記事は下の埋め込みからどうぞ。