折れたジギングロッドの修理 後編
折れたジギングロッドの修理後編。
前編の記事はこちら↓
②カーボンロービンで補強
インナーロッド接着から1日。万力から外して接着を確認。
・・・。
・・・少しずれてるやんけ。
・・・もうどうしようも無いし、致命的では無いのでこのまま続ける。
溢れたエポキシをカッターではがして表面をシンナーで拭き上げ。カーボンリボン(カーボンロービン)で補強する範囲を決めて、マスキングテープで縁取りし、マスキングテープにカーボンリボンの貼り付け位置を下書き。
リボンのスペックなど細かな数値は測っていないけど、引っ張った感じとインロー芯の強度を考慮して配置。
その結果、まず竿と同軸方向に数本と竿の軸と30℃くらいの角度で斜めに数本入れた後、リボン2本分の幅のピッチで左右合計4回巻き上げるようにした。
本当のブランクスはここから焼き上げて固めるから、焼かない僕が巻き上げにこだわる必要ないと思うけど、多分インロー芯だけだとすぐ折れるので、リボンのひっぱり強度の高い方向を竿の曲がる方向に沿わせられるように配置してみた。
繊維は横方向に引っ張ると簡単に裂けたので、角度をつけずに同じ所にぐるぐる巻くのはあんまり良くないと思う。
作業の続き。
下書きをしたらエポキシをロッド表面に塗り広げてリボンを配置。その上からエポキシを足して塗り広げ4回の巻き上げ。
巻き上げ一回ごとにエポキシがあふれるので、あふれた分は塗り広げて次の巻き上げを行う。写真は最後の巻き上げ(巻き上げ前の写真は撮り忘れたごめん)
作業して分かったのが、巻き上げの時はリボンの端をマスキングテープで仮止めして、リボンを回すのではなく竿を回して巻くとはかどる。勉強になった。
巻き終わったらエポキシで表面を固める。竿を回す機械が無くて液だれしないところまで固まるまで手で回し続けたのが地味につらかった。たれない程度に固まったら、一晩放置して完全に固める。
よく2液性エポキシをバーナーで炙って固めようとする人いるけどおすすめしません。そもそも2液性エポキシの硬化の原理は乾燥ではなく化学反応なので加熱しても硬化は早まりません。厳密に言うと温度上げれば反応速度は上がるんだけどそれも微々たるものだと思うし、温度間違えると成分が気化して気泡が入っていいことないです。粘性を落として滑らかに仕上げるとかの目的があるなら加熱もいいかもね。
一晩経って完全に固まったら、仮止めのマスキングテープや縁取りしたマスキングテープをはがしつつ、縁取りより外のエポキシやリボンをカッターで取り除く。
このままでも使えると思うけど、エポキシの端が角ばっているので仕上げに角が滑らかにロッドつながるようエポキシを塗りなおして完成。
手厚く補強した甲斐あってガチガチに仕上がった。不安なのはティップ側のインナーロッドの切れ目で固さが急に変わるので、次折れるとしたらたぶんここだと思う。
次に直すときはインナーロッドよりもリボンを広く貼って、竿の固さが急に変わらないよう滑らかに調子が繋がるようにすると良いかもしれない。なにはともあれ、思い入れのある竿がもう一度使えるのはうれしい。頑張ってよかった。
追伸:修理した竿を使用してきました!
2019年3月初旬。ジギングで今回修理した竿を使用してきました!
治したジャイアントキリングにPE1.5号、150~210gのジグのセッティング。序盤で210gのFKジグをワンピッチで誘っていたときに、接合部のエポキシにヒビが入り一瞬あの時のトラウマが蘇った。けど、割れたのはエポキシだけでそれより内側には影響は無かったようで、結局一日中強いしゃくりを続けることができ多ので、とりあえず目標は達成できたんでは。
竿継ぎの接着剤はもう少し弾性のあるものにするか、
リボンを増やしてしなりを抑えるとか次は何か工夫が必要かなと思います。
この日は、この竿で運よく65センチほどのワラサを掛けることができ、様子を見ながらやり取りしましたが、突っ込みにも何度も耐えられて問題なし。
この釣行の記事はこちら
最後に
使って分かった注意点が2つ。調子が変わってジグが飛びやすくなったことと、かかった時の竿のしなりも少なくテンションが抜けやすくなってた。代わりに修理前より重めのジグが気持ちよく扱えそうな感じに仕上がったと思う。
これでまた長い付き合いができそう。直して本当に良かった。
ちなみにティップ折れの修理はこちら↓