折れたジギングロッドの修理 前編
いきなりだが、先週スロージギングのロッドがバットから折れた。
しゃくるのに夢中で竿を立てた状態で合わせを入れてしまい、パン!というカーボンらしい音とともに逝った。船中の視線を一斉に浴びることになったが、当の本人は放心状態でそれどころではない。
完全に僕の使い方が悪かったのだけれど、買ってまだ3回ほどしか使っていない竿だったのでかなり堪えた。家に帰っていろいろ考えた結果、初めてのジギングロッドで思い入れのある竿だったことと、折れ方もきれいだったので修理することにした。
とは言っても、完璧に折れる前の状態に戻すのは不可能。
なので今回は、曲がり方が変わることは置いておき、とりあえずブリがかかっても破断部周辺で再び折れない強度で竿を継ぐことを目標に、メインのロッドのバックアップとして使えるところまでもっていきたいと思う。
やっていることは簡単だけど割と時間のかかる作業だったので、2回に分けて説明したいと思う。ちなみにティップの折れの修理はこちらの記事↓
修理の流れ
治し方は、カーボンパイプ(インロー芯)の差し込みとカーボンリボン(カーボンロービング)補強を組み合わせる。
大まかな工程としては、
①インナーロッドの挿入
②カーボンリボン補強
の2工程。前半の今回はカーボンパイプ挿入の工程まで。
今回使用する道具は、インロー芯、カーボンリボン、2液性エポキシ30分型、その他ノコギリや万力などの基本的な工具。さっそく解説。
①インナーロッドの挿入
まずは破断面の確認と切り詰め。
竿の縦方向に裂けがあると、曲がった時のインナーロッドのテコで内側から裂けてまた折れそうなので、裂けがあるところは切り捨てる。
今回は比較的きれいに折れたので片側2cmづつ程度の切り詰めできれいな断面が得られた。
断面はヤスリで仕上げてから綺麗に拭き上げ。ちなみに切断は荒いノコギリだと線維が引っかかってきれいに切れなかったりするので、目が細かいノコギリで。
次はインナーロッド用のインロー芯の準備。断面が整った状態で内径をノギスで測る。今回はグリップ側が6.1mm,、ティップ側が5.9mm。
市販のインロー芯の規格が0.5mmオーダーでティップ側がはまるか怪しくかなり迷ったけど、店舗で6mmインロー芯の袋の上からノギスを当てたところ6.0mmだったので、袋の厚みを差っ引けばいい感じになるのではと思い6.0mmのインロー芯を購入。ちな700円。
実際に差し込んでみるといい感じで5cmほど入ったところで止まった。10cmに切断し先を丸く削ってインナーロッドとする。
次にインナーロッドの接着。2液性エポキシを質量比1:1で混合して脱泡を兼ねて5~10分放置。今回は初めての修理なので作業に余裕が持てる30分硬化型のエポキシを使う。
放置中にインナーロッドとロッドの内側をシンナーで拭き上げて、マスキングテープの上からガイドとリールシートの位置が合うように印を入れる。
エポキシが落ち着いてきたら、ティップ側の内壁とインナーロッドの半分にエポキシを塗り、回転させながら止まるところまで差し込む。
今度は、グリップ側の内壁とインナーロッドの残りの半分にエポキシを塗って回転させながら差し込む。
マスキングテープの印をあわせたら緩衝剤を噛ませて万力で固定。ティップ側とグリップ側が内圧で上下に離れたり、回転しようとするので、万力は竿を傷つけない範囲でしっかりと締めておく。
エポキシが固まるまではティップ側を下に向けて放置。今回はインナーロッドのティップ側がブランクの内面と密着しているはずなので、逆さにして放置で問題ないはず。
ちなみにインナーロッドがティップ側でつっかえない状態で固める時は、逆さにするとエポキシがティップ側に流れ出るので、水平にしてフィッシングモーターという竿を回る機械でロッドを回す。
今回は以上!
次回はカーボンロービンの巻き上げから仕上げです!
後編の記事はこちら↓