【伊勢湾ジギング】サワラ対策にムツ針ってどうなん
先日新潟で船に乗った。幹糸24号、ハリス20号、ムツ針20号6本、オモリ300号っていうゴリラ仕掛けに、コマセを詰めイカ短を付けて置き竿にしておくとワラサが来る。楽しい釣りだったけど、なかなか勉強になる釣りでもあった。特に勉強になったのはムツ針のすばらしさ。今回釣れた魚の針のかかる位置を見てみるとことごとく唇の端だった。
ムツ針にはネムリが入っている。ムツに飲まれた時でも食道の奥で刺さらないようにするためだ。うわさでは聞いていたが、ここまで顕著にフッキングする位置をコントロールできるとは。
で、僕は思った。これをジギングのアシストフックに使ったらサワラカッター対策になるんじゃないかと。
サワラ達ザイロンも余裕で切ってくるので、歯がラインに触れないようにするのがブレイク対策としては一番合理的。ムツ針なら針が口の縁外部に刺さるのでリーダーやアシストラインが口から出た状態でフッキングさせられるのでは?と。
とはいえムツ針のアシストフックなんて聞いたことないし売ってないので自作。ジギングフック並みの大きさのムツ針を物色したところいい感じのを発見。これでアシストフックを作成。サワラはリアへのフッキング率が高いのでリアフックのみ交換。フッキング率下がる可能性あるけど、獲れないならそもそも掛けない方がお互いのためだと思うのでこれでOK。ちなみにムツ針探してたら、キハダの牙対策にキハダ用ネムリ針が売ってあったので、やっぱ考え方は間違ってないと思う。ただキハダのネムリ針は餌釣り用だったので、ジギングのアシストフックとしていいのかどうかは未知数。
切られやすいスロー系のジグに搭載してジギングで検証。
先に結論を言うと、切られる確率は減ったけど総合的に見ればデメリットの方が多いというのが僕の感想です。ネムリ針アシストフックに掛かったサワラは3匹で、このうちキャッチが2、ブレイクが1。キャッチできたサワラのフッキング状態を見てみると確かに口蓋を拾う形でフッキングしていて期待通りの結果に。(下の写真の赤い柄のフック。取り込みで針が回ってしまったけど口の縁外部を裏から針がとらえている)
一方ブレイクしたケースでは、アシストフックをきれいに2本とも切られた。(下の写真。根元からざっくり。)
推測だけど、ブレイクしたサワラはジグを横から咥えた後、フッキングで頬の外側からフックが刺さっていたんじゃないかと思う。太刀魚テンヤの横刺さりみたいな原理。この刺さり方だとフッキングの直後一時的にアシストラインが口の中に入るので、寄せる最中に歯にアシストラインが当たる可能性が高い。
ネムリ針は針を口に入れた状態から合わせた時のフッキング位置をコントロールするものだから、このかかり方をするとネムリ針つかってても意味がなくなる。今回はこれで切られたんではと思っている。
こうやって考えると、伊勢湾ジギングで使うサイズのジグだと、ジグの尻尾から噛んでこないとムツ針の効果は発揮されないと思う。シラスファイバーとかを針につけてサワラに針を狙わせるとか工夫するといいかも。あと、ショアジギングとかシルエットの小さいジグでサワラ狙うときや、オフショアでリーダーから切られるときとかは有効だと思う。
ただし、ネムリ針は号数を上げても軸が細くて、サワラとセットになるブリみたいな大型青物を相手にはできないように感じたので、ちょっと運用が難しいと感じた。
以上、サワラ対策のネムリ針アシストフックについていろいろ考えてみた企画でした。ジギングには向かないけど、サワラさえ取れればいいという人や、エサや泳がせのフック、ショアジギングやマイクロジギングのサゴシ対策には、ある程度効果があると感じたので、困ってたら試してみてください。お役に立てば幸いです。