19カルコンDC200のハイギア化 後編【19カルカッタコンクエストDC200】【ハイギア化】

僕にとって19カルカッタコンクエストDCの課題はギア比だ。きっとこの認識は僕だけではなくて、ソルト運用の人達には割とコンセンサスの取れた認識だと思う。この記事は19カルカッタコンクエストDC200が抱える目下最大のこの課題を解決するべく、19カルコンDCをハイギア化する企画の後編です。

前編はこちら↓


今回の19カルカッタコンクエストDC200ハイギア化企画の最低限のアウトカムは以下の3つです。

①ギア比が上がること
②ドラグが鳴ること
③最大ドラグ3kg

前編では、オシアコンクエストのハイギアを使ってとりあえず①のギア比上げを行いました。後編の今回は②③のドラグ周辺の最終調整をします。前編もそうでしたが、便宜上タイトルは200ですが実際に改造したのは201の方です。パーツの注文や写真を参考に作業するときはこの点ご注意を。

②ドラグを鳴らす


前編ではオシコンのギアを移植し、音出しユニットを取っ払ってギアのみ組み込みました。こうしなければ組み上げは不可能だったからです。ドラグユニット搭載に際し問題になるのは、ラチェットがドライブギアに干渉することと、オシコンのドライブギアのピン受けの位置がカルコンDCのラチェットのヒダとあっていないことです。

ですので今回は、切削によってドライブギア内径を拡大し、カルコンDCのラチェットに合う位置にピン受け穴を作成します。

ドライブギアの内径の拡大

ラチェットがドライブギアの中へ入り込めるように内径を拡大します。ラチェットとギアを合わせ外周をペンでマーキング、削ってから気づきましたが深さは1mmがベスト。

タングステン鋼のビットを付けたリューターで削ります。旋盤があると仕上がりもよくなります。僕は旋盤はないのでリューターで削りました。シマノさんここに冷間鍛造ギアを切削してるアホがいますよー!!危険なので切削後は面取りとバフを忘れずに。

ピン受け穴の新設

ピン受けをはめる場所を作ります。ピン穴の位置はちょうどギアの内側の内壁との境目がピンの中心です。直径3mmの穴をあけるので軽く内側を削ってピン穴を開けたら、ピン受けをあてがって干渉するところを削ります。削りすぎたらベビーパウダーと瞬間接着剤で盛って再度削りなおせばOK。シマノさんここに冷間鍛ry


完成したら、パーツクリーナーで洗浄。あとはグリスアップして組み上げ。スプールを押さえハンドルを回すとカチカチと軽快にドラグが鳴ります。フリーハンドな改造だったのでデフォルトより荒々しい音になりました笑

③最大ドラグ力のチェック

仕上げのドラグ力をチェック。正式な図り方は知らないのでとりあえずスプールいっぱいにラインを巻いた状態でラインを出しドラグをフルロックしてバネ計りでドラグが滑るまで引っ張る。結果は2.8kg。スプールの内径は外径の2分の1くらいだから、モーメント考えたらフルラインの時とノーラインの状態のドラグ力は2倍くらいになるはずだから理論値は5.6kg。たぶんシマノはラインない状態でドラグ力を図ってると思う。強引だけどドラグ力も達成。


ということで、ついにドラグが鳴る19カルカッタコンクエストDC201HGが完成。

使用した感想

早速試しに使ってきました。リトリーブに余裕ができたことと、特にバイブレーションが軽快に動かないわずらわしさから解放されたのが大きい。スラッグのリカバーも早くなりラインコントロール時のスキも減った。

あと嬉しい誤算だったのは、カルコンのハンドルが短いのでひと巻きが早く、6.2というハイギアとしては控えめなギア比でも巻きをがんばれば数値以上にルアーが早く動かせる。

一応気になるところも上げておくと、クラッチが重くなったことと、ギア鳴りが少しだけ出ること。クラッチは原因不明でどうにもならないけど、気持ち外側を押すようにすれば軽く切れるのでこのまま行こうと思う。ギア鳴りは正直覚悟してた。そもそも強引な組み込みになるし、歯のピッチも大きさも明らかにカルコンの方が繊細だったから。どっちにしてもギア鳴りもクラッチも釣りしてる時には全く気にならないので問題はないと思う。ソルト向けのいいチューンができた。


以上、19カルカッタコンクエストDC200のハイギア化企画でした。

無事にアウトカムを達成でき素晴らしいプロダクトになった。計画段階でなかなか迷走しましたが(番外編参照)。。。感覚としては19カルコンDCの皮を被った14カルコンって感じ。デチューンみたいに聞こえるけど、逆に言えばちゃんと新機種はグレードアップしてるんだなと感じた企画だった。

ぶっちゃけここまでこれたのは19カルコンDCのハイギア化の記事が他になく、検索ワード的にブルーオーシャンのおいしいトピックだったからですが、不純な動機の割にいろいろ得るものがありました。

今後も誰もやってないこといろいろやってみて記事にしたいと思います。ではまた。

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