アピア LUCK-V Ghostのインプレ


2018年8月発売になったAPIAのバイブレーション「LUCK-V ghost」。

これまでのLUCK-Vシリーズの良さを生かしながら、さらにアクションや操作性を追求してデザインを調整したこのモデルは、これまでのバイブレーションとは異なる特徴を持っている。今回は、このLUCK-V ghostについてインプレしたい。 



◆メーカー公表 基本スペック

メーカー公表の基本スペックは以下の通り。
サイズ :65mm
ウェイト:15g
タイプ :超微波動バイブレーション
レンジ :‐
補足  :

APIAのバイブレーションである、LUCK-Vシリーズをモディファイしたもの。超微波動で小気味良い引き心地(メーカーより引用)とアクション性に改良がくわえられており、ハイプレッシャーエリアでも結果が出せるように設計されている。

樹脂製のボディーで、テールフックのアイの上部はボディーでカバーされており、比較的重量のあるバイブレーションでありがちなミスキャストでのアイのつぶれなどを防ぐ。また、エビ状態にもなりにくい設計となっている。




◆インプレッション

僕がこのルアーを手に取った時の印象は「太い」だった。全長的には決して大きいわけではないのだが、他のバイブレーションを比べ横幅があるように感じたのがこの印象の原因。だから実際に投げるまでは超微波動というのがどうしてもイメージできなかった。普通に考えればボディー大きければ引き抵抗も大きくなるので、ブルブルも激しくなるはずだから。

また、テールアイのオフセット加工も必要なのかどうか疑問だった。というのも、僕の中ではバイブレーションは開けた場所で思いっきり竿を振りぬいて飛ばすルアーというイメージだったので、きわどいキャストをする場面は無いと思っていたから。

購入早々疑問の多いルアーだったが、物は試しでさっそく次の釣行で使ってみた。

キャストした感じは、いたって普通のバイブレーション。気持ちのせいかもしれないが、他のバイブよりもファッティーなのでキャストの鋭さは出ない気がするが、小粒で15gなので問題なく飛ぶし着底も感じやすく、バイブレーションとしてはしっかりしている。

糸フケを取ってリトリーブしてみる。


おおおお!

思わず声が出る。超微波動の名に恥じぬ引き抵抗。とても不思議な感覚だ。うまく言葉にできないけど、横幅のある見た目からは想像しにくいが、きめの細かいシルキーな引き抵抗。弱いんじゃなくて細かい、ちゃんと動くけどなめらか、そんな印象。

シマノのサルベージも細かく控え目な引き抵抗だけど、このルアーはそれよりもずっと細かい。不思議な巻き心地。

リトリーブからのストップでのフォールは他のバイブレーションと比べふわっとしたニュアンスがあり、オフセットアイが効いているのかエビにもなりにくい。なのでバイトのタイミングを長く取ることができ、フォールを繰り返してもエビにならずにストレスもない。

リトリーブを再開すればすぐにシルキーな抵抗が再現でき、レスポンスに関しては他のバイブレーションとは一線を画している。テクニカルな誘いに向いた操作性。

特徴が分かってくると何となく使えそうなシチュエーションが想像できる。僕がイメージしたのは比較的岸近くに寄ったベイトに付いたシーバスを狙うシチュエーション。普段ならミノーを投げる場面だが、見切られて何度も何度もルアーを変えるケースが多い。そういう時にその切り換え先のルアーとしてこのバイブレーションが選択肢にあっても面白いと思った。

実際に釣行ではキャッチまでは至らなかったものの、他のルアーで反応が無いがこのルアーだけ反応が得られた場所も存在したので、普通のバイブレーションとは魅せ方が違うと認識した方が良い。

バイブレーションの出番が多いボートシーバスでも、こうしたちょっと見せ方が変わるルアーもあった方がバイブレーションの中でのローテーションのバリエーションも増えるしいいポジションにあるルアーだと思う。

そのうえ、ボートなら入り組んだストラクチャーを短い距離で打つこともあるだろう。そうなるとテールアイのオフセット加工やレスポンスの高さも生きてくると思った。

これはインプレの釣行の後調べて知ったのだけど、このルアーの開発のコンセプトには、足元の魚を大切にという考えがあったらしい。コンセプトに忠実に必要な機能が搭載されていて、よく計算されてチューニングされたルアーだと思った。



◆まとめ

昨今のソルトルアーバイブレーションは鉄板バイブ、シリテンバイブ、レンジバイブの3銘柄がビッグ3という構図が出来上がってしまっている。今回インプレしたこのLUCK-V ghostは、特徴的なコンセプトをもち、これらビッグ3とはまた違った使い方が出来そう。